ニートの国の一奈ちゃん

しま松ホワイトデー-一奈×ニートの国のアリス-芋虫





――アリスが来たよ

――これで何人目?

――今度は何日もつかな

――賭けようか

――ムリだよきっと芋虫が通さない

――なら三日ともたないだろうね

――ああ楽しみ




「……はっ、上等」

低い呟きに、ピーチクパーチク騒がしい小鳥の群れがいっせいに飛び立った。
合間に話していた何人目かのアリスとやらは目の前の人間を指しているのだろう。
豊かな黒髪ツインテールに白と紫ストライプのワンピース、リボンの着いたローヒールのパンプス、それはそれは可愛い少女、の見た目をしている。
しかし。

「……お前がアリスか」
「違う。一奈ちゃん」
「……いやアリスでしょ。兎の穴から来たんでしょ」
「やたらウザい白兎の落っこちた穴には入ったけどおれは一奈ちゃん」

さっきからこの問答ばかりで一向に話が進まない。
いい加減、気の長くない方の僕はキレそうだ。

「一奈だか何だか知らねーが兎の穴からやって来てここまで辿り着いたんならお前はアリスなんだよ!」

前言撤回、キレた。
肘置きにしていた毒々しい赤と紫の斑模様の茸に拳を叩き付けながら怒鳴ると、ツインテールの少女は眉間に皺を寄せた。

「あぁん? 今をときめく〇イチューバー一奈ちゃんを知らねぇのかよこの童貞芋虫野郎が」
「はぁ!? 誰が童貞だ誰が!」
「てめぇだよ、ほら」
「っ……!」

売り言葉に買い言葉、腰掛けていた赤茸から腰を浮かせると、目の前の少女、一奈ちゃんとやらは自身のワンピースの裾を捲り上げた。
瞬間、目に飛び込んだ白レースに慌てて目を逸らす。
が。

「……え?」

視界に過ぎった白レースが、有り得ない形をしていたように見え、恐る恐る首を戻した。
先程より距離を詰めて来ていた一奈ちゃんはにたぁと恐怖すら感じさせる笑みを浮かべ、両手で摘んでいたワンピースの端を唇で食んだ。
そして空いた両手を自身の腹に這わせて、ゆっくり下へと滑らせていった。
その手の滑り落ちる先は白い、レースのパンティで、親指が縁に掛かり、するりと太腿を滑って、下げられていくレースから露わになっていく、そこには、

「っ……て、め、男ぉ!?」

立派な男根が聳え立っていて。

「いや待って何で勃ってんの!?」

半ばパニックに陥った僕の言葉に、一奈ちゃんは食んでいたワンピースの裾を胸元のリボンに挟んで口を開いた。
いやワンピース下ろして前隠せよ!

「ひ、ひ。さっきからさぁ、それ、咥えてる口がやらしーの。んな細いもんよりもっと太いの、咥えようよ」

それ、と指さされたのは水煙草の煙管。
煙管と一奈ちゃんの男根とを見比べてしまい、ぞわりと背中に悪寒が走った。

「待っ……来んな! 寄るな! 汚いもん見せんなぁ!」

下半身を晒したまま茸を登ってくる一奈ちゃんに本気で恐怖を感じて後ずさる。
だが、足の裾を掴まれる方が早く、一つ下の茸の上へと引きずり下ろされた。
そしてそれは、僕の視界は、仁王立つ一奈ちゃんのちょうど股間の位置で。

「やっ……んぶっ」

緑のフードの縁を掴んだ一奈ちゃんは有無を言わさずいきり立った自身を僕の口へ捩じ込んできた。
首を引こうにもすぐ後ろには腰掛けていた茸、逃げ場のない状況で太いものを奥まで押し込まれた。
喉奥を突く男根にともすれば吐きそうになりながら、押し出そうと必死で舌を押し付けた。

「あっはァ、舐めたいの? 見掛け通りのビッチかよ」
「んぅ!?」

なんっだそれ!!
慎ましい芋虫を捕まえて事もあろうにビッチとか!
突然の不名誉な呼び名に頭に血が上るが反論出来る余裕もなく。
一奈ちゃんの腰を掴んで突き飛ばそうとしたが喉への一突きごとに目がチカチカする。
フードを掴まれてる所為でジュポジュポと口の中を掻き回してくる水音ばかりが頭の中を埋め尽くす。
押し出したいのに舌の上を男根が滑る度に脚が、太腿のあたりがびくりと跳ねる。
……いや、実際跳ねているのは腰だ、けどそんなの認めたくない。

「んっ、う"、うぐ……」
「あ〜……いいよぉ芋虫さん。このまま口ん中ブチ撒けてやるから……飲めよ」

一奈ちゃんはそう宣言するとフードから手を離して僕の後頭部を押さえ付けてきた。
息も出来ない程に喉奥深く突き入れられた性器が大きく脈打って生暖かい精液を吐き出してきた。

「んんんっ……かはっ!」

数度に渡って吐き出された精液を僕の舌の上に擦り付けるように二、三回腰を揺らした後、
一奈ちゃんは低い声で嘆息しながら身体を離した。
漸く口を塞ぐものがなくなったので盛大に咳き込み一奈ちゃんの精液を吐いた。

「あ〜あ、だめでしょ、芋虫さん。おれ飲めっつったよねぇ?」
「っ、だれ、が、っ……飲むか……」

手の甲で口を拭い、スカートを捲り上げたままの変態を睨み上げる。
変態は目を細めて足を持ち上げると、僕の肩を踏み付けてきた。

「った……!」
「ニートの国の一奈ちゃん、芋虫凌辱特別実況始まり始まり〜……ってね」






――あーあ、やっぱり三日ももたなかったね

――やっぱり芋虫でみんな足を止めるね

――何匹目の芋虫かな

――また卵が産まれたよ

――さあ新しいアリスが来たよ